レインズ・REINSとは、日本の最大不動産情報プラットホーム

日本国内で不動産を「売りたい」「買いたい」、「貸したい」「借りたい」と思ったとき、あなたはまず何をしますか?

不動産を所有する私だったら、いくらで売れるだろう?とか、いくらで貸せるだろう?など売却価格や賃料を考えます。
そういうときにはSUUMOやアットホームなど、不動産情報ポータルサイトを参考にしたりしていますが、もうすこし具体的に考えている場合、不動産業者の利用を考えるでしょう。
そう、不動産業者に価格査定や、賃料査定してもらいたいからですが、この不動産業者がその査定をするときに利用するシステムが皆さんも聞いたことがある「レインズ」と言うシステムです。

このレインズ、査定に利用するのみではなく、実際には売買や賃貸などの情報を登録したり、それらの成約データなどの各種データを蓄積する日本一の大きなシステムなのです。
にもかかわらず、私たち消費者はこのレインズシステムを直に見た事は無いでしょう。

実はこのレインズ、不動産情報の巨大なネットワークということは知っていても、レインズを詳細に理解されていない方は多いのではないかと存じます。

そこで、この記事では

●レインズとは、どういうもの?
●レインズの情報は、誰もが見たり登録したり利用できるの?
●レインズは、どういう経緯でできたの?
●レインズを利用した実際の不動産取引の流れとは?
●レインズの問題点や改善点はないの(レインズが抱える課題とは?)
●レインズの限界とは何か?(限界を超えるための方法について)

などについて書いていきます。

レインズ・REINSとは、日本の最大不動産情報プラットホーム

レインズの仕組みや利用の仕方を解説するとともに、レインズをどうすれば活用できるのか? また不動産業者ではない一般の方々でもレインズ情報を利用する方法を知ることで不動産業者に騙されずに済む方法と、その注意点までも解説していきます。

ぜひ、最後まで読み進めてみて下さい。
ここは必ずあなたの役に立つはずです。

本記事のテーマ

【基本中の基本】日本で不動産の売買や貸借したいとき、レインズは欠かせない
『不動産を売買するとき、貸借するときに利用したいレインズの完全ガイド』
~レインズの現状を理解し、個人でのこのシステムの利用法を完全解説!!!~

レインズの基本を解説

レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構(以下、『指定流通機構』と言う)が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。
このレインズは、おそらく不動産系のプラットホームの中では日本最大のシステムで世界でも最大級になるでしょう。
私たちの知る不動産系プラットホームには、SUUMO、アットホーム、ホームズ、Yahoo!不動産などが有りますが、これらのシステムよりも大きな、情報も多い多々の活用を期待できるシステムなのです。

しかし、そのレインズも私たちにはそうそう馴染みが有るシステムではありません。それは、私たち一般消費者は利用できないシステムという事情が有るかもしれません。
ただ、売買や賃貸を進めるにあたっては一般消費者であっても、レインズを、不動産会社を通してでも必ず利用するだけではなく、一般消費者として直に活用したい、否、活用すべきとても便利なシステムでもあるのです。

レインズ(不動産流通標準情報システム)の概要

レインズでは、指定流通機構の会員である不動産会社がパソコンを使ってホストコンピューターから売買や賃貸などの販売中案件情報、賃貸募集中案件情報、それらの成約情報などを引き出したり、登録したりして利用します。
こうした情報はリアルタイムで更新されるので、常に最新の情報を引き出す事ができるのが特徴です。

レインズは日本全国の物件登録をカバーしていますが、指定流通機構は大きく分けて東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズといった4機構で構成されています。
実は、レインズはこの4つの機構のうちどれかの会員でないと利用する事ができません。

●公益財団法人 東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)
●公益社団法人 中部圏不動産流通機構(通称:中部レインズ)
●公益社団法人 近畿圏不動産流通機構(通称:近畿レインズ)
●公益社団法人 西日本不動産流通機構(通称:西日本レインズ)

東日本レインズは、公益財団法人ですが、その他3法人は公益社団法人で運営されています。
コーラルは、このうち( 公財 ) 東日本不動産流通機構の会員となり、この東日本レインズを利用・活用しています。
( 公財 ) 東日本不動産流通機構はコーラルの在る東京都(江東区)、神奈川県(横浜市)だけでなく、北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・新潟・山梨・長野を域内カバーしていて、2018年3月末現在、この圏域に所在する6万8千事業所の不動産会社が会員となっています。

これら地域の膨大な量の物件情報を網羅し登録されているので、この情報の中から自分の探したい物件を適所適時に見つけ利用する事になります。
レインズの膨大なデータを利用できる事で、各種不動産の査定や売買に大きなメリットをもたらたしてくれる不動産情報の巨大なデータベースなのです。

しかし、巨大なゆえにその管理が行き届いていないという側面もあり、後に説明する「囲い込み」の弊害も生じているのですが。

ただ、今日、レインズは不動産売買・賃貸にはぜったい欠かせないネットワークシステムなのです。
「レインズ無くして不動産の仕事は出来ない。」と言えるほど情報流通に大事なシステムなのです。

レインズの情報は、誰もが見たり登録したり利用できるの?
レインズへ自由に登録したり、全ての情報(販売物件・成約物件・賃貸募集中物件、賃貸成約物件など)を検索したり利用できるのは、指定流通機構に会員登録をしている宅地建物取引業者(不動産会社)である事が必要になります。

なお登録・検索等の利用には以下の二つの方法があります。

(1)原則、以下の指定流通機構の構成団体(サブセンター)のいずれかに入会して利用する。
•各都道県の宅地建物取引業協会(ハトのマークの不動産会社・全国約9万7千あり全不動産業者の80%が加盟)
•全日本不動産協会(うさぎのマークの不動産会社・不動産業界では最古の業界団体で全国に約3万5千社ある)
•不動産流通経営協会(三井のリハウスや野村不動産アーバンネットなど大手不動産会社で構成)
•全国住宅産業協会(中堅企業を中心に上場企業も含む全国1,700社で構成された団体)

(2)上記団体に加盟しない会員外の宅地建物取引業者(会員外利用事業者)が、指定流通機構指定の手続き(別途費用が発生)により利用する。
以上の2つの方法が有りますが、99.9%が(1)のいずれかの団体に所属する不動産会社になっています。

纏めると、レインズは、売主さま・買主さまそれぞれからの依頼を受けた不動産会社間のみで利用可能な、物件情報提供と物件検索がリアルタイムに行われている閉鎖的なシステムなのです。

レインズの仕組み
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「REINS TOWER」

ゆえに残念ながら、現在一般消費者が直接物件情報を見たり、登録したりレインズを利用することはできません。

しかし、実はレインズ自体の一般公開はされていませんが、レインズの物件情報の多くは以下の3サイトを利用することで利用することができています。

一般消費者でもレインズ情報を見られるサイト3選

不動産業者以外の一般消費者がレインズ登録情報を見たい場合、それぞれの利用希望により3つのサイトの中から選び、レインズのデータを利用する事ができるようになっています。

①販売中物件情報は「不動産ジャパン」
②成約情報は「レインズマーケットインフォメーション(RMI)」
③レインズを集約した各種データは「レインズタワー」

①不動産ジャパン

レインズの販売中物件情報は「不動産ジャパン」にて公開されていますので、誰でも自由に閲覧する事が可能です。
この情報で閲覧できるのは、売主様から直接売却依頼を受けた不動産会社(売主様と媒介契約締結している不動産会社)により登録された情報になります。(画像クリックで各サイトへ移動できます。)

不動産ジャパン

②不動産取引情報提供サイト(RMI)

レインズマーケットインフォメーションでは、「どのような物件」が、「どの時期」に、「どの程度の価格で成約したか」を確認することができます。

レインズ・マーケット・インフォメーション

③レインズタワー

レインズタワーでは、各圏全体・都県別・地区別の中古マンション、中古・新築戸建住宅、土地(100~200㎡)の成約・新規登録・在庫状況などを速報版として月度報告として公表しています。

「市況トレンド」のページでは、同機構がこれまで蓄積してきた取引データの成約事例をもとに、マンションと戸建てについて、月例マーケットウオッチ、不動産流通市場の動向、レインズシステム利用実績報告、首都圏賃貸取引動向などをレインズタワー運営開始2002年からの市場推移としてまとめ公表しています。

なお、レインズタワーについては別頁で詳細解説しています。⇒ ☛ レインズタワーとは?

レインズが登場した背景(不動産情報の流れを閉鎖的な状態から公平な状態へ移行する)
実は、私とレインズとは不動産業界に参入(レインズ的には導入)した年は全く同じ1990年(平成2年)で、同期ともいえる存在なのです。
ちょうどレインズ導入が平成2年5月なので、この記事を書いている令和2年からすれば時代背景がとても似ている時に登場しました。
平成2年と言えば、この年はバブル経済崩壊で株が暴落した年でもあります。
また、ミュージックシーンではおどるポンポコリン(B.B.クィーンズ)が大ヒットしました。 まだまだワープロ全盛期でパソコンを導入する不動産会社は少なかった時期でもあります。

そんな中、登場したのがこのレインズです。

このレインズが導入される前の不動産情報の流通と言えば、土地や中古住宅を売りたい方や、逆に買いたい方は、不動産会社(宅地建物取引業者)にそれぞれ依頼して、店頭への貼紙、新聞広告、知り合いの業者での情報交換などに頼っていました。

今でもまだ有りますが、不動産会社では販売図面(マイソクと言う)を作り、アットホームなどへ多くの不動産会社への配布を依頼し、配布を受けた不動産会社は店頭への貼紙などで買い手を探していたわけです。

また、売却を任されたら不動産会社では新聞広告、知り合いの会社間での情報交換にも努め、成約を演出していたのです。
レインズ導入前の売買や賃貸の情報のやり取りは、専らファックス(FAX)によるものだったのです。未だに不動産会社がFAXを多用しているのには、このような時代背景があるわけです。
しかし、これでは迅速性に欠け、また一部の人にしか紹介できませんでした。この欠点を改め、広く迅速に相手方や物件の検索を行うために、平成2年5月からレインズが導入されたというわけです。

但し、レインズの導入期はやはりパソコンの普及が追いつかず、専らFAXでの情報伝達により交換していたのです。

レインズ導入における不動産会社の立場と役割
当初、レインズ導入に積極的だったのは三井不動産や住友不動産などの大手不動産業者と言われる会社です。ちなみに町の不動産屋さんと言われる中小零細の不動産業者はレインズ導入には反対だったのではないかと記憶しています。
なぜ、大手不動産業者がレインズを積極的導入に動いたかですが、それには下記の理由が挙げられます。

◎レインズ登場は旧来の情報伝達法を変えた
レインズ導入前は、土地の名士が不動産会社を運営していて、そこに多くの物件情報が集まるような状態でした。今で言う大手不動産会社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルなど)には売却情報が集まらなく、町の名士不動産業者には頭が上がらない状態だったわけです。

この状況を打開したくその時の管轄官庁(建設省)に大手不動産業者が働きかけ、情報が自分たちに入るようにしたくシステムを作り、そのシステムに登録させて自分たちも情報を得ようとした背景が有ります。

不動産は社会インフラです。

またその売買や賃貸は日本社会発展にはとても重要なティップスでもあります。
故に、不動産情報を一部の者の独占状況から解放し、皆が取得し利用できる環境にした事で社会インフラの整備も進み、また一般消費者の情報活用できている状況へと変貌した事はとても意義が有ったと言えるでしょう。

しかし、昨今、本来のレインズ登場の意義は失われ、不動産情報が町の名士不動産業者から取り上げられ大手不動産会社が独占している状況(情報の囲い込み)が多くあり、大きな問題にもなっています。

このようにレインズの目的は、一部の者からの情報の開放であったにもかかわらず、しかし、昨今はこの情報の開放は阻害され、本来のレインズ運用目的を達する事が出来ない状態となっているのです。

◎レインズの利用環境問題

レインズ登場当初、大手不動産会社はパソコンが普及していましたが、しかし、まだまだ零細不動産会社には普及していませんでした。
但し、この時からパソコン普及(インターネット普及)は時代の趨勢だったのです。

パソコン普及率

◎情報拡散は消費者の利益につながる
上記①における理由から一部の不動産会社が情報を独占し、なかなか流通しない売却物件情報に一般消費者は不便を感じていたのです。その不便な状況を国もなんとかしたがっていたのです。
しかし、初めから一般消費者への公開されるシステムには、予想をはるかに超える抵抗が不動産業者からありました。
その結果、初めから一般消費者が利用できるシステムとはならず、不動産会社間のネットワークとして整備され公開されたわけです。

このような状況を背景とした理由から、レインズは導入されました。

レインズ本体を誰もが見られるシステムになるには
レインズの利用には、指定流通機構の会員の宅地建物取引業者のみに与えられたIDとパスワードが必要になりますが、実はそのIDとパスワード情報を知ってしまえば誰でも閲覧できます。
ちょっと昔の話ですが、中国人が日本の不動産を買い漁っていた時期が有り、指定流通機構の会員の宅地建物取引業者が中国人グループにそのIDとパスワード情報を教え利用しているという噂が流れていました。
この話が本当かどうかはわかりませんが、これが本当ならその宅地建物取引業者はレインズ利用停止になるでしょう。
レインズ、今はそれほど管理され運用されているシステムなのです。

レインズの本来の目的とは⁉

しかし、指定流通機構の会員の宅地建物取引業者だけが持つレインズ情報を、一般のお客様に利用制限し開放しないのは不利益の何物でもないのです。

日本における不動産流通が、他諸外国のそれと大きくかけ離れ開放的ではないという状況は良いとは言えません。
例えば、囲い込みはこの開放されていない状況から生まれるのであり、また売り手と買い手の情報が等しくないために買い手が不利になる「情報の非対称性」も問題になります。

中古不動産でも高額な商品です。
レインズの中で流通している情報の大半がこの中古不動産であるものの、多くの不動産業者は、この「情報の非対称性」を利用し商いをしているだけなのです。不動産に価値を与える仕事はほぼしていない業者ばかりなのです。
ゆえに日本ではいつまでも中古不動産は価値が低く抑えられる結果となっているのです。

ゆえに「情報の非対称性」からくる不利益も考え、情報は広く一般に公開されるべきと思うのです。
しかしレインズの現状は、不動産業者の利益を優先に考え、「情報が公開される利益」よりも「個人情報保護の必要性」をやや声高にして優先されている状況なのです。

しかし、その閉塞的な状況に風穴を開け、開かれた不動産取引を目的に果敢にチャレンジしているのが不動産テックなる企業です。
この果敢なチャレンジが成功すれば、レインズの一般公開は近いうちに実現されるかもしれません。

レインズは売出し中の全ての物件が登録されている?
売出される物件を専任媒介契約と専属専任媒介契約によって依頼された不動産会社には、その物件を決められた期限内にレインズに登録しなくてはいけないという義務が宅建業法で定められています。

これを怠ると、怠った業者には罰則が設けられています。

不動産会社が「レインズ」への物件登録する時期は、媒介契約により異なります。
一般媒介契約は、登録の義務はありませんので登録は自由です。
レインズに登録されるタイミングを以下にまとめました。

●専属専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から5日以内
●専任媒介契約は媒介契約締結の日の翌日から7営業日以内
【なお、両契約とも営業日とは不動産会社およびレインズの休業日は除く日となります。】

たとえば、コーラルの場合、火曜日と水曜日が定休日なので、仮に定休日前日の月曜日に専任媒介契約を結ぶと、翌日、翌々日は定休日となるので、営業日カウントは1日目が木曜日、2日目が金曜日となり…5日目が月曜日となります。
よってレインズへの登録は、締結日翌日から迎える初めの月曜日までに行う事となります。
なお、専任媒介契約の場合は再度火曜日、水曜日は営業日にカウントしませんから、登録締め日は締結日翌日から迎える2回目の金曜日になります。

一般媒介契約は、法律では積極的にレインズ登録するようにはうながされている状況がありますが、登録義務はありません。
また、業者が自ら売主となる物件にもレインズへの登録義務は有りません。

必ずしも、販売中、成約済みなど全ての物件を確認できるわけではないですが、ただ全国にある会員の不動産会社約12万社以上の持つ物件情報が登録されているシステムはこのレインズのみで、大変膨大な量の物件情報を引き出す事ができ、スムーズな売買に役立てる事ができます。

こうしたレインズへの登録によって買い手を探すのはもちろんですが、購入希望の方が自分にあった物件を見つけやすくなるという売り手買い手双方にとってメリットのあるものです。

そうした状況にあるレインズは、毎年情報交換を通して10万件以上の売買が成立しているのです。

このレインズには、売買が成立した情報も成約事例としてどんどん書き込まれていくので、売却したい物件の近隣の似た物件の成約情報をチェックする事で、価格査定の参考にもなるというメリットもあり、売出価格を設定する際の資料としても大変に有効なシステムなのです。

○成約情報の集約

(専属)専任媒介契約等を締結した不動産会社には、登録した売却物件の契約が成立した場合、取引価格などの成約情報を指定流通機構に通知する義務があります。指定流通機構は、通知された成約情報を集約し、不動産会社に提供しています。(不動産会社に課せられた「守秘義務」を前提に提供されています。)
特に、中古物件については、近隣で行われた実際の取引価格(「成約価格」といいます)を参考に価格査定を行い、売り出し価格等を判断することが一般的となっています。指定流通機構は、成約情報を集約することで、仲介業務を受けた不動産会社が適切に価格査定を行うための環境を提供し、不動産流通市場の透明性の確保に努めているのです。
レインズの役目は不動産流通市場の透明性の確保に有ります。

○取引情報・動向の提供

全国4つの指定流通機構で構成されている全国指定流通機構連絡協議会が保有する実際に売買が行われた物件の価格(成約価格)等の取引情報を『不動産取引情報提供サイト(RMI※)』や『レインズタワー』で公開しています。
※RMIは、REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)の略称

レインズを利用した実際の不動産取引の流れとは?
先にも説明しましたが、レインズは、専属専任媒介契約、専任媒介契約を不動産会社と交わしたとき、その売却物件を不動産会社がレインズへ登録して広く買い手を探す義務を負いますが、このレインズを利用した不動産取引の流れは以下の通りになります。

レインズの利用法

①売主と(専属)専任媒介契約を締結した不動産会社が、期限内にレインズに物件登録(販売図面など)します。
②全国の不動産会社が登録された物件情報を閲覧できるようになります。
③商談中や買い手が既にいる案件はレインズ記号で表示されるので、販売中案件がすぐにわかり様になっています。
④買い手のいる不動産会社が、レインズ内に登録され販売中の物件情報を見て、登録した不動産会社へ問合せします。

このときの問合せに対して、買い手と商談中でも無くまた契約予定でも無い情報を、現状販売中の正確な情報を登録した不動産会社が伝えず販売を止める行為を『囲い込み』 と言います。

④買い手がいそうな不動産会社は、この登録情報を見て買い手に販売情報として案内し、内見(内覧)を促します。
⑤内見(内覧)した後、買い手が購入意思(具体的には買付申込書授受など)をした場合、登録した不動産会社はステイタス管理上の購入申し込みありにします。
⑥売り主側と買い手側で各種条件が整ったら売買契約締結して成約となり成約情報としてレインズ登録します。

このような流れでレインズは進んでいきます。全ての流れに不動産会社が介在する事になるわけです。
レインズが不動産売買を進めるうえで果たす役割は、売り主と買い主、双方のマッチングを円滑に実現する事なのです。
この円滑な売買の流れを壊す行為が、今、大問題となっている『囲い込み』なのです。

レインズへの登録の現状
上記でも問題とし記述しましたが、レインズを舞台とした大問題が起こっているのをご存知でしょうか?
その大問題こそ、販売中物件の「囲い込み」です。
この囲い込みを積極的に行っている不動産会社こそ、実は大手不動産会社であると言う記事が雑誌で暴露されているのです。

これは、レインズの登場背景を無視し、レインズの趣旨に反しています。
大手業者が先導きってレインズ導入を即し、情報の公平性を訴えていたにもかかわらず、今ではその大手がこそこそと情報の囲い込みをしているのです。

この囲い込みについては、詳細を別頁で詳細解説していますので、そちらを参照して頂ければと存じますが、この行為はレインズ本来の目的を逸する法律違反の行為なのです。

レインズ登録・運用改訂について

レインズは利用規定が定められています。
東日本不動産流通機構では、このレインズへの登録制度が形骸化する状況を防ぐために利用規程を改訂し、平成25年10月1日に施行しました。平成28年1月には取引の透明性を高め、売却依頼主の利益を保護する目的で「取引状況(ステータス)管理」を実施され始めました。
東日本不動産流通機構の「レインズ利用規定」「レインズ利用規程細則」「処分規定別表」には次のような記載があります。

レインズ利用規定 第 18 条(客付業者からの物件照会等)
レインズ登録の元付業者は登録物件に関し、客付業者から物件詳細照会、現地案内申込みの連絡を受けた場合には、正当な事由がある場合を除いて拒否してはならない。

レインズ利用規程細則 第7条(正当な事由)
規程第 18 条及び第 19 条で定める正当な事由とは、次のとおりとする。

一 既に書面による購入等の申込みを受けていること
二 売却等希望価格と購入等希望価格との著しい乖離
三 売却等希望条件と購入等希望条件との乖離
四 依頼者の意思
同時に複数の購入等の申込みの連絡があった場合においては、依頼者及び元付業者が選択権を有するものとする。

処分規定別表 (3) 業務
物件の不紹介 … 是正勧告・注意・戒告

レインズ利用規定改訂によれば、「成約報告の登録義務」の明示と、売主様と媒介契約を交わした不動産業者が、他の不動産屋さんから紹介を受けた場合、「正当な事由」がない限り売却不動産の紹介を断ったらいけないとなったわけです。
もし違反したら「是正勧告・注意・戒告」を受け、従わなければレインズ利用停止処分等の指導を受けます。

例えば「商談中」や、「契約予定です」、「売り止め(契約交渉中)です」「図面作成中」などの虚偽の回答で、他の不動産業者の販売活動を阻害してはならないと規定(不動産の囲い込みをしてはならないと規定)し、指導や処分規定の厳格化なども図られる事となったのです。

レインズの運用改訂の新聞記事*

具体的な改定内容(東日本レインズから抜粋) ⇒ 東日本レインズを参照ください。
レインズ内の登録状況、いわゆる「取引状況(ステータス)管理」を設けた事です。
「専任」または「専属専任」媒介契約を締結した売り物件のレインズ登録項目【取引状況】・【取引状況の補足】を記入することで、売却依頼物件がどのような取引状況なのか確認できるようになりました。

●売却依頼した物件のレインズ登録状況を確認する方法

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」を締結した場合、登録証明書に売主(売却依頼主)専用のIDとパスワードが記載してあります。「売却依頼主用物件確認」の画面からログインすると、依頼した物件のみレインズ登録情報が確認できるようになりました。

●【取引状況】

レインズ登録物件の取引の状態を表す項目を設けて、販売状況を確認できるようになりました。
(1)公開中・・・他の不動産業者から問い合わせを受付けている状態
(2)書面による購入申込みあり・・・不動産業者が書面による購入申込みを受けた状態
(3)売主都合で一時紹介停止中・・・売却依頼主の事情により一時的に物件を紹介できない状態

●【取引状況の補足】

取引状況の変更日や「(3)売主都合で一時紹介停止中」の詳細内容など、他の不動産業者に伝えなければならない情報を記載し、混乱が起こらないようにしています。

改訂の背景について

不動産の売買契約をめぐるトラブルで各不動産協会や宅建業を管理管轄する省庁担当に寄せられる事例のうち、およそ9割は1社仲介、つまり両手取引における買主からのものです。

トラブルそのものは両手でも片手でも起きるでしょう。

トラブルが起こった時に売主側と買主側にそれぞれ仲介会社が存在すれば、たいていの問題は仲介会社同士で話し合って解決策を導き出す事ができます。

ところが、1社による仲介においてトラブルが起きたときが問題になります。
この場合、売主と買主の間にいる仲介会社が完全に中立を保つことは困難と言える場合が多いからです。
たいていの場合は売主との付き合いのほうが長く、売主を押さえておけば次の収入機会も期待できるのですから、「売主+仲介会社」vs「買主」の構図になりやすいのです。

地域事情により運営されているレインズ
指定流通機構は全国に4法人(東日本、中部圏、近畿圏、西日本)ありますが、今回の規程改訂は、東日本不動産流通機構においてのものです。

なぜ今回の改訂が東日本不動産流通機構だけであるのか。

それは地方都市などでは、不動産の売買価格が低く、1つの取引で仲介手数料を十分に得られないために、両手でなければ不動産業の経営が成り立たないという切実な問題が有ります。

しかしながら、こうした動きはほかの法人にも広がると見られています。

西日本レインズは、来年度の紹介拒否禁止に関する規程の導入を検討中、また、近畿、中部も時期は未定ながら同様の措置を検討しているとの事なのです。

レインズの問題点や改善点はないの(レインズが抱える課題とは?)
不動産業者間での流通の活性化に活用されているレインズですが、以下のような課題があります。

登録情報の不足

レインズには500項目もの登録事項があります。
但しこの中で必須項目は価格、専有面積、住所、間取り、取引形態の5項目のみです。レインズに登録されている物件は中古物件が9割以上、マンションに至ってはほぼ100%になります。
しかし、中古物件の価格構成に欠かせない増改築の履歴などは登録されていることはほぼ有りません。それは登録義務がないからです。
中古物件の質構成に欠かせない多くの情報が、登録義務がありません。
ゆえに買い主はその情報がわからないというデメリットがあります。

情報解放が中途半端

買い手がレインズを直接見られない状況と、売り手がレインズの売却情報を自由に閲覧できない状況は、買い手も売り手も情報の透明性に欠け、また情報取得の機会を逸することになり、強いては売買環境の平等という観点では不適切と考えられています。

レインズを一般消費者に解放しないことにより、逆に不動産業者は情報の独占取得によって「情報の非対称性」が起こり、消費者の不利益が起こっています。

双方とも一般消費者が直接レインズを見られないことが原因としてあります。

レインズが一般開放されない問題の本質は

なぜ、レインズは一般開放されないのか?
それは、不動産業者は買い手と売り手から手数料を受け取るフィービジネスなため、レインズが一般公開されれば、売り手、買い手から手数料を取れなくなるのではないかという不安が、レインズを一般開放しない大きな理由です。

レインズ情報を独占している不動産業界は、消費者から「不透明だ」と揶揄されているにもかかわらず、いまだに開放を拒み、自業界の利益のみを考えているのみなのです。

他にも、SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトの存在もレインズが一般公開されない要因です。不動産ポータルサイトは物件掲載や問い合わせによって利益を得るビジネスです。

レインズが一般公開されては、多くの不動産業者や不動産ポータルサイトの存在意義はなくなってしまいます。

ゆえにレインズが一般開放されないのです。

レインズの限界とは何か?(限界を超えるための方法について)
そもそも不動産業者は、売買や賃貸という商取引においてトラブルが起きないように仲介業務を行わなければなりません。
また不動産業者は土地建物について各関係機関等で調査を実施し、これを重要事項説明書(宅地建物取引業法第35条書面)においてお伝えしています。

しかし、今現在の仲介業務では建物維持管理情報や、土地利用状況は売主から聞き得た情報がそもそも正しい情報であると考えて買主にお伝えしております。
もし仮に、この売主から聞き得た情報がそもそも間違えていたら、買主に間違えた情報をお伝えすることとなってしまいます。
不動産の売買契約をめぐるトラブルでは、この聞き得た情報に間違えが有り、この情報をお伝えしたことでトラブルになることがとても多いことも事実なのです。

ここにレインズの限界が考えられるのです。

レインズの限界とは、情報の正確性の確立が十分担保されていないというところなのです。
ゆえに、一般消費者にはどうしてもレインズを解放できないのかもそれません。

ただし、解決策はあります。
要はレインズの登録に際して、地質調査、建物調査などのインスペクションや瑕疵保険付保を登録物件に付加を義務にすれば良いのです。

事実、後ほど解説しますがUSAの不動産情報ネットワークMLS(Multi Listing System)には、この施策がなされています。

囲い込みをどうしても行いたいと考えている会社では
今回のレインズ運用改訂において、この囲い込みを全面的に取り締まることがどこまで出来るのかという問題はあります。
実は規程があっても『商談中』を実際に証明する方法がないからです。そのため ザル規程 になる可能性もあります。

どうしても「両手仲介」をおこないたい不動産会社は、「売主様と連絡がつかない」、「物件の担当者が不在で紹介できない」、あげくのはては、「しばらくの間は、私が立ち会えない・・・」などなど、物件の囲い込みをするための新しい言い訳を、つぎからつぎに考えます。
とはいえ、この「成約報告の登録義務」の明示と「元付け業者(売主側業者)による正当な事由のない紹介拒否の禁止」の追加によって問題が顕在化したことは間違いありません。
但し、売主様を故意に騙し、誘導して囲い込みする事も考えられます。

取り締まりにはどうしても抜け目があり、あの手この手と手段は変えても抜け道を求め不動産業者は多額の手数料欲しさに囲い込みという悪事を考えて行動するようになるからです。

この場合、レインズのシステムが悪いのではなく、不動産業者の資質に問題があるのですから、両手仲介を禁止しさえすれば自ずと囲い込みという悪事は解消されるのです。

元付け業者(売主側業者)による正当な事由のない紹介拒否の禁止
レインズでは、元付け業者(売主側業者)による正当な事由が有れば、紹介を拒否してもいいとされています。
さて、この該当する正当な事由とは、いったいどういうものを言うのでしょう。
実は、この正当な事由はとても簡単な事で有り、「不動産業者と媒介契約を交わす売主様が、その他の業者からの紹介を受けない旨の約定をする」ことで事足ります。
言い換えれば、売主様が媒介契約する不動産業者以外の業者からの照会拒絶をしさえすれば「正当な事由」となると言うわけです。

この事由、悪用されそうですが、これもまた両手仲介を禁止すれば解決します。

コーラルのレインズ利用状況

コーラルではレインズ運用規定(レインズ情報取り扱いガイドライン)に基づき、下記のように利用しております。

査定時
コーラルでは、価格査定時にレインズを利用しています。
レインズ内に有る物件情報(成約情報、販売中情報)や、レインズタワー内に有る各種データを利用し、お客様からご依頼有る査定の価格算出の事例として活用しています。
レインズ内の取引事例や登録情報は首都圏不動産流通市場を反映していると言え、この情報持って査定すれば、最も時価や相場に近い査定価格となり大きな違いが出ないようにできるのです。

販売活動時

コーラルでは、売主仲介手数料無料プラン以外の媒介契約は必ずレインズ登録して不動産会社へ情報発信し、広く情報拡散し買い手を探しています。
また購入申し込みを書面で取得した場合以外は、ステイタス管理上の公開中にしておりまます。
しかもレインズには必ず販売図面を登録して、不動産会社が買い手へのアピールを行いやすいようにしています。

その他の活用事例

コーラルのサイト内の売買時各種データの基礎数値は、このレインズ発表の数値を利用し、わかりやすくグラフ化して皆さんにお届けしています。
時には、レインズから発表されたデータやグラフも、そそのまま利用しているケースもあります。

レインズ・まとめ
レインズは、そのシステムを上手に利用すれば、消費者にとって(不動産を売りたい人も買いたい人も、貸したい人も借りたい人も)とても便利なシステムです。
但し、レインズシステムは、今現在、その利用の仕方の裏をかく行為、違法な行為(囲い込み)により、便利さの度合と言う点では大きく損なわれているというのが現状です。
その裏をかく行為、売主の了解の無い業者の身勝手な違法行為(囲い込み)は法改正や「レインズ利用規定」「レインズ利用規程細則」「処分規定別表」などにより改革されてはいるのですが、しかしながら、その改革をも裏をかく行為を不動産会社は考え行っています。
その行為では、わたしたち消費者が被害を被る事が堂々と横行しているのです。
さて、それらの行為を堂々と行う不動産会社の行為をどう思いますか?
これらの行為は絶対に排除しなければ、私たちの不動産売買時、不動産賃貸時の安心は補填出来ないのです。
私たちは自分自身の事として、ぜひ、考えてみたいものです。
なお、レインズ利用のガイドラインを確認されたい方は『レインズ情報取り扱いガイドライン』で確認できます。

この記事を書いた人

大久保一馬 宅地建物取引士・不動産売買のプロフェッショナル・不動産コンサルタント
不動産業界歴30年。1990年のレインズ(REINS,不動産流通標準情報システム)登場と同時に不動産業者を開業。レインズとは同級生となり、既にレインズとの付き合いも30年になります。
その間5000人以上の不動産売買者への相談経験を元に、不動産市場への本質的な情報発信を開始。幸せな生活における不動産の関係についてのオフィサーのような存在を目指し、某有名週刊誌にも不動産市況についてのコメント多数。多数の不動産系書籍の監修も行っている。

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